はじめに

この講座では、デザインを作り始める前に必ずやってほしい「考える作業」について解説いたします。
多くの人がデザインを作る際にカッコよくてオシャレなビジュアルを作ることにゴール設定をしがちですが、本当の目的は「情報を効果的に伝える」ことです。
そしてデザインの良し悪しを一番左右するのは、作る前の準備がどれだけ出来ているかです。
どれだけIllustratorやCanvaの操作が上手でも、この「考える工程」を飛ばしてしまうと、
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- 見た目は整っているのに何を伝えたいデザインなのかわからない
- 情報がごちゃごちゃしていてユーザーが情報を見つけられない
- クライアントに説得力のある提案ができない </aside>
といった状態になりやすくなります。
まずは「作る前に何を考えるべきか」を、しっかり整理していきましょう。
なぜ「デザイン前」がそんなに大事なのか?
デザインは、自由に作るものではありません。必ず**「目的」と「伝える相手」**が存在します。

それにもかかわらず、
- とりあえず配置する
- 空いているところに文字を入れる
- 見た目が良ければOK
という進め方をしてしまうと、デザインが“自己満足”で終わってしまうのです。
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デザインとは、情報を整理し相手に伝わる形に変換すること
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そのためには、「何を」「誰に」「何のために」伝えるのかを作る前に明確にしておく必要があります。
まず決めるべきは「デザインの目的」
最初に考えるべきことは、目的です。
目的とは?
このデザインを見た人に、どうなってほしいか というゴールのことです。
たとえば、
- 商品を知ってほしい
- イベントに参加してほしい
- お店に来てほしい
- 申し込みをしてほしい
など、必ず「行動」がゴールになります。
よくあるNG例
- 「おしゃれなデザインにしたい」
- 「かっこよく見せたい」
これらは目的ではなく、手段です。目的があいまいなまま作り始めると、
途中で判断基準がなくなり、「これってアリかな?」「どっちのデザインが正解?」と迷い続けることになります。
情報には優先順位がある
目的が決まったら、次にやることは情報の洗い出しです。
デザインに載せたい情報を、いったんすべて書き出してみましょう。
例)
- タイトル
- キャッチコピー
- 説明文
- 日時
- 場所
- 料金
- 注意事項
- 問い合わせ先
このとき大切なのは、「全部大事」にしないことです。
情報には必ず、伝える順番と強さの差があります。
そこで考えるのが、情報の優先順位づけです。
おすすめの考え方は、以下の3段階です。
① 一番伝えたいこと(主役)
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- 見た瞬間に伝わってほしい情報
- デザインの中心になる情報 </aside>
例)
- イベント名
- 商品名
- 一番伝えたいメッセージ
② 補足情報(内容を理解するために必要)
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- 主役を補足する情報 </aside>
例)
- 日時
- 場所
- 内容説明
③ 詳細・サブ情報(見たい人だけ見ればOK)
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- 読まなくても致命的ではない情報 </aside>
例)
- 注意事項
- 問い合わせ先
- 細かい条件
この3段階を意識するだけで、情報の整理が一気に楽になります。
優先順位が決まると、デザインが決まりやすくなる

情報の優先順位が決まると、
- 文字の大きさ
- 配置
- 余白
- 視線の流れ
といったデザインの判断基準が生まれます。
「一番伝えたい情報だから大きくする」
「これは補足だから控えめでいい」
というように、すべてに理由を持って配置できるようになります。
これが、「なんとなく配置するデザイン」と「伝わるデザイン」の大きな違いです。
デザインは「正解探し」ではない
デザインに、唯一の正解はありません。
ですが、間違いにくくなる考え方はあります。
それが、
- 目的が明確か
- 情報の優先順位が整理されているか
この2点です。
この軸があれば、「迷ったときに戻る場所」ができます。
デザインは、
作り始める前に、半分以上決まっていると言っても過言ではありません。
情報の優先順位づけとデザイン要素の使い方を事前に思考することが、良いデザインを生み出すための重要なステップになるのです。
次の講座では、整理した情報を どうやって視線の流れに乗せて伝えるか「基本の視線誘導」について解説していきます。
