はじめに
デザインを作る前に行う「リサーチ」は、
単に「おしゃれなデザインを集めること」ではありません。
大切なのは、
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「何を見るか」
「どんな視点で見るか」
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を明確にすることです。
この講座では、デザインを“真似するため”ではなく、
自分のデザインに活かすためのリサーチの考え方を解説します。
リサーチとは?
リサーチとは、デザインの「見せ方」や「伝え方」を学ぶための情報収集のことです。
レイアウト・フォント・配色・装飾などデザインの表現要素に注目して、
- なぜこの配置なのか
- なぜこの色なのか
- なぜこの印象に見えるのか
といった 「どう表現されているか」 を読み取っていきます。
リサーチのコツ

リサーチで最も大事なのは、「今、自分は何を知りたいのか?」を明確にし言語化することです。
目的が曖昧なままリサーチをすると、
- なんとなく眺めただけ
- おしゃれだった、で終わる
- 結局デザインに活かしきれず、ずっと参考デザインを探している
という状態になりがちです。
目的を持って、意識的にリサーチをしていきましょう。
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- 今、自分は「何の表現」を知りたいのかを明確にする
- その視点で、細かくデザインを見る
- 気づいたことは必ずメモする
- 編集されたデザイン(デザイン書籍・実績サイトなど)を見る
- リサーチは「作る前」と「作っている途中」の両方で随時行う </aside>
量よりも、意識と視点の濃さが大切です。
リサーチの前に意識したい2つの視点
デザインリサーチを始める前に、必ず意識しておきたいことが2つあります。
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ターゲットを意識する
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リサーチでは、「誰に向けたデザインか」を意識することが重要です。
同じ業種・同じ媒体でも、ターゲットが違えば、選ぶべきデザイン表現は変わります。
例
- 子ども向け → 明るく、親しみやすい
- 社会人向け → 落ち着き、信頼感
「誰に届けたいデザインなのか」を意識しながら見ることで、リサーチの精度が一気に上がります。
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競合デザインを見る
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同じ業種・同じサービスのデザインには、多くの場合「よく使われている型」や「共通点」があります。
これは真似をするためではなく、
その業界で“伝わりやすい前提”を知るために確認します。
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- よく使われている色
- 写真の雰囲気
- 情報の並び順
- 定番の表現 </aside>
これを知っておくことで、「外しすぎて伝わらないデザイン」を避けることができます。
何を見るか?リサーチの基本視点
次に、具体的に どんな視点でデザインを見るか を整理します。
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- 同じ業態のデザイン(例:学習塾、整体院、士業など)
- 同じ媒体のデザイン(例:チラシ、バナー、LPなど)
- レイアウト(要素の配置、余白、情報のまとまり)
- フォント(見出しと本文の違い、雰囲気)
- 配色(ベースカラー、アクセントカラー)
- 装飾(写真の使い方、罫線、アイコン、あしらいなど) </aside>
これらを 「なんとなく見る」のではなく、意識して見る ことがポイントです。
「いい表現」を言語化する

先ほど挙げた視点でデザインリサーチをする中で見つけた「なんかいいな」という感覚は、必ず言語化します。
いいデザインを見たとき、
- なんとなくいい
- 好き
- おしゃれ
で終わってしまうと、次に自分が作るときに何も使えません。
言語化とは、「なんとなく良い」を「あとで使える知識」に変換する作業 です。
◎ メモ例
- 同じ業態のデザイン → 落ち着いた色味が多く、信頼感がある
- レイアウト → 余白が広く、情報が整理されて見える
- フォント → 太さにメリハリがあり、読みやすい
- 配色 → ベースはシンプル、アクセントは1色だけ
こうして言語化することで、デザインの引き出しが増えていきます。
言語化に正解はない
言語化は、
- プロっぽい言葉を書くこと
- 正しい答えを当てること
ではありません。
「なぜそう感じたか」を自分なりに考えることが大切です。
「たぶん〜だからそう感じた」くらいでOKです。
言語化すると何が変わる?
言語化を続けると、
- この業種にはこの見せ方
- この目的ならこの構成
- こういう印象を出したいならこの手法
といった 判断の引き出しが増えていきます。
感覚ではなく、理由を持ってデザインを選べるようになることがゴールです。
リサーチは「デザインの材料集め」
リサーチは、デザインの答えを探す作業ではありません。
判断するための材料を集める作業です。
集めた気づきやメモをもとに、自分で考え、選び、組み立てる。
それが、オリジナルのデザインにつながっていきます。
